主にショートギャグを書いています

ライ麦泥棒つかまえて

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※この作品は北斗の拳の二次創作です。
パロディなので原作漫画やアニメなどのイメージを大きく損なう恐れがあります。
北斗の拳の世界観が壊れるのが嫌な人はブラウザの戻るボタンを、
ヒャッハー、そんなの気にしないぜ、という人のみお読みください。


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「ケンシロウ、このラオウ、礼を言う。よくぞ教えてくれた。それで、その女は今どこにいるのだ?」
「・・・えっ」
「えっ、ではないだろう。だからどこにいて今は何をしているのか、と聞いているのだ」
「そ、それを知ってどうするつもりだ?」
「もちろん、会いに行く。そしていずれは親子三人で暮らすつもりだ」
「ま、待て、ラオウ。ユリアのことはどうするのだ?」
「おれも覚悟を決めた。息子までいるのだからな。ユリアはお前にゆずってやろう」
「い、いや、もう少し頑張った方がいいんじゃないか?そ、そうだ、おれが見たところ、ユリアもまんざらではなさそうというか、もう少しでなびきそうな感じだったぞ」
「・・・そうなのか?というより、おまえら昔から出来てたんじゃなかったのか?」
「いや、最近ユリアとの間に心の距離を感じている、というか余りにも束縛しすぎるので、本当に彼女との間に物理的にも心理的にも距離が欲しい。いや、弟として兄とユリアが幸せになってくれればいいと思っている。」
「そうか、そうか。やはりユリアも本当はおれに気があったのだな。そうだな、ユリアのことはアケミと会ってから考えるとしよう」
「いや、それは無理な話だ」
「なぜ無理なのだ?」
「本当のことを言うと、アケミはリュウを生んですぐに亡くなったからだ。嘘をついたのはラオウ、おまえを悲しませないためだ」
ラオウはそれを聞いて酷く落ち込んだ。
「・・・そうか、わかった。もう何も聞かん。あとは息子であるリュウを強い子に育てるのみ」

息子であるリュウの姿を思い浮かべながら、ラオウは強く心に誓った。しかし、その決心もトキによってすぐに揺らぐことになる。
「待つんだ、ラオウ。おまえはケンシロウに騙されている」
「なんだと!?」
驚くラオウ。そしてトキはいつもの静かな口調で話し始めた。

「二人が夜の街に消えたあの後、わたしはアケミから話を聞いた。二人は確かにホテルに入ったものの、部屋につくなり酷く酔っていたラオウはそのままベッドに倒れ込んで寝てしまったそうだ。アケミはベッドの上でうつぶせになっていびきをかいているラオウを置いてそのまま帰ったそうだ。その際、タクシー代としてラオウの財布からいくらか失敬したと言っていた」
「確かに、あの後、目が覚めたら女はいなかった。タクシーで家まで帰って、料金を支払おうとして財布を見ると、3万円入っていたはずの財布が空っぽだった。家に金を取りに行くといっても、タクシーの運転手が信用してくれなくてな。乗り逃げだとか警察に行くとか騒ぎ立てたので、記憶を失う秘孔をついてやったわ」

ラオウはその後のことを思い出し、心の中で過去の自分を恥じていた。
・・・てっきりやることはやったのだと思っていたが、右拳を突き上げ、『我が生涯に一片の悔い無し』と、喜んで叫んだのはなんだったのか。あのとき、おれはまだ童貞のままだったというのか・・・。
「いや、待てラオウ。トキこそ嘘をついている。アケミがそのように言ったのは、ラオウの修行の妨げにならない為だ」
「ケンシロウこそ口から出任せを言っている。ラオウもその夜のことを覚えているはずだ」

二人に詰め寄られて、ラオウは腕を組み小首をかしげながらあの夜へと記憶をたどってゆく。
「どうなんだ、ラオウ!」
ケンシロウとトキの声が重なった。
ラオウはしばらくだまったまま、ようやく重々しく口を開いた。
「・・・すまん、さっぱり思い出せん」
二人は同時に深いため息を吐いた。そうだ、こいつはでかい図体と力だけが取り柄の筋肉馬鹿だった、と思い出した。

「もしアケミでないならば、リュウの本当の母親は誰だというのだ?」
ラオウはトキに問うた。
「あれは、ユリアとケンシロウのいちゃつく姿を見て、ラオウが酷く落ち込んだ時のことだ。わたしは少しでも励まそうと飲みにさそった。しかし、案の定悪酔いしたラオウは、『おれが童貞なのはお前のせいだ』と言いがかりをつけてきた。さらに『いまから三分以内に女を連れてこい』と、いつものように無茶を言ってきた。わたしは店から出て、近くを歩いている派手目の女連れ二人組を見つけてナンパした。わたしは必死で二人を口説き落とした。一人は目鼻立ちのはっきりとした美人タイプで、もう一人はおせいじにも綺麗とはいいがたかった。二人を連れて店に戻ると、ラオウは上機嫌になってその内の一人の娘を口説きだした。もちろん、美人の方だ。そしてとうとう、『君、胸が大きくて肩が凝らない?おれ、北斗神拳っていう拳法の達人で、肩こりが治る秘孔知っているから突いてあげるよ。だけど、ちょっとはずかしい場所にあるから、どこか二人きりになれる場所ないかな。え、ぜったいにえっちなことはしないよ』といって、その娘を連れ出した。そのあと、わたしはそのブスと二人きりで取り残されて、『じゃあ、わたしにも肩こりが治る秘孔ついてください』と、ブスからいわれておかしなムードになるわ、おまけに全員の会計まですることになって、あの晩は最悪だった・・・」

二人とも黙ってトキの話を聞いていた。さきに口を開いたのはケンシロウだった。
「・・・トキ、おまえのそれは単なる愚痴話だぞ」
そしてラオウも言った。
「そんなことあったか?」
「あったのだ。よく思い出すんだ、ラオウ」
「なんかあったような気がしてきた」
「そうだ、その通りだ」
「済まなかったな、トキ・・・。だが、もちろん、あの晩のことは酔っていて断片的にしか覚えておらぬ。翌日目が覚めると、やはりベッドに一人寝ていて、財布の中が空っぽになっていた。免許証とクレジットカードが手つかずだったのは幸いだった。このラオウ、一生の不覚よ」
「いや、ラオウ、あの時はやることはやっている。あの時はいえなかったが、童貞卒業おめでとう」
その言葉を聞いて不思議に思ったラオウはトキに尋ねた。
「おまえがなぜ、そのことを知っている?」
「二人は友達同士なのだが、ブスのエリカという女から聞いた。あのあとしばらくわたしたちはつきあうことになったからだ」
そこでトキは自嘲気味に「フッ」と笑った。
「バージンをあげたのだから責任をとれ、などと言われて手を切るのに苦労したがな・・・」

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